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沖縄での日常生活を通して思ったことを綴っています―もりのひとワークス非公式ブログ

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沖縄の県民性を理解できない左右の人たちへ

ネットを眺めながら気になるブログ記事を見かけた。それは『中国共産党の工作機関紙と堕した「琉球新報」と「沖縄タイムス」』という過激なタイトルで、要は国家主義を掲げるそのブログ主が沖縄で強まる左翼勢力をけん制する内容であった。2012年7月16日付けの記事である。

blog.goo.ne.jp/jiritsukokka/e/5dcb466ecb23893f1269c0f33b0fa976

「日本を滅亡に向かわせる最大の敵は、沖縄のマスコミ」「中国共産党や朝鮮労働党の走狗となって国を売るマスコミに宣戦布告をしなければならない」とまで言ってのけているが、その論拠はとても稚拙な机上の空論で、右翼というのはこの程度の思考論理で動いているのか、と同じ日本人としてちょっとがっかりさえした。

尖閣諸島の領有問題が大きく取り沙汰されている中で、東京都が買取を検討したことから端を発し、にわかに中国との領地問題に火がついたのはみんなよく知っているところ。それに対して地元の地方新聞2社の、昔から領地は曖昧にしつつも、二国間の友好を先として培ってきた信頼関係を、東京都知事がぶち壊し、国益を損なっていると言わんばかりの論陣に、熱心な右翼諸氏はカチンと来るところもあるのだとは思う。

問題は、その新聞社のスタンスを十把一絡げに左翼勢力と位置づけていることである。個人的には、沖縄の新聞は日本の中では独特な歴史の中で培われた県民感情をよく表現こそしているが、短絡的に反体制を掲げるいわゆる左翼思想とは一線を画していると思っている。

たしかに、復帰前から基地問題に取り組んできたカリスマ指導者の瀬長亀次郎が、復帰後に日本共産党に属して政治活動を続けた経緯などから、今でも戦後の沖縄政治における左翼勢力は比較的力をもっている。だが、もともと沖縄の政治は国政の方針にとらわれず、暮らす人々のために、という視点がつねにあった。国が左右にかたよることに対してはあまり関心が無く、自分たちの生活、生命のために薩摩やアメリカ軍基地に象徴される権力と戦ってきたのである。長い沖縄の歴史の中で、左翼と呼ばれる政治思想が少なからず普及したのは、アメリカ統治から日本に復帰した後のことなのだが、そんな経緯を見て一部の右翼思想の人が、やれ沖縄は左翼だ、と言い出したのがことの発端のように思う。

沖縄の経済振興のために、中国との関係は今現在とても大切で、尖閣問題のような地元の意向を無視した国家主義に対して地方新聞が反論するのは至極当然である。尖閣領有を今強く主張することがなぜ大事なのか、その答えは右翼思想の中にしか存在せず、日本国民の総意にはなりえない。むしろ、最悪のケースとして有事に至れば、不利益をこうむるのは日本国民なかんずく沖縄県民である。民主主義国家において国益とは民益であるのだから、一部の人間、権力の見栄、虚勢のために犠牲を生むような展開には断固として反対しなくてはいけない。沖縄の地方新聞はその使命を全うしている例だ。そういった点で、たまたま左翼的な振る舞いに見えるのだが、本質は生命尊厳、人間主義に根ざしているのが沖縄県民感情であり、地方2紙の論調なのだ。

また、一方で左翼の人たちにも勘違いしないでほしい。沖縄が目指しているのは旧態依然の左右の闘争ではない。時には政権と歩みが合う時代もあり、時には許しがたき怒りを覚えることもあった。だが、決して現在の国家が絶対悪などとは思っていない。新しい環境を構築しようとしている沖縄県政は、歴代県知事を中心にその支援団体の左右によらず、一貫してこの島に育つ子供たちの未来のために、沖縄の人のために、という思いで政治に取り組んでいる。歴代知事はその所属するところの組織的事情を抜きにして、その一点だけを追い求め次代に引き継いできた。そのことを、沖縄で政治活動をする以上は肝に銘じて取り組んでいただきたい。沖縄の主張を全国的な政争の具に貶める輩には沖縄は冷ややかに、また厳しく対応するだろう。


-----上述のサイトより転載-----

琉球新報 社説(2012年7月10日 )
尖閣国有化方針 冷静に戦略的互恵守れ


 野田佳彦首相は、尖閣諸島(石垣市)を国有化する方針を固め、購入を表明している石原慎太郎東京都知事に伝えた。支持率低迷にあえぐ政権の浮揚につなげる思惑もあろう。中国は「日本のいかなる一方的措置も無効」と反発し、台湾も反発している。
 日中の友好を深める好機だった国交正常化40周年は尖閣問題が影を落とし、両国関係は冷え切ったままである。
 数次ビザ制度導入により、沖縄への中国人観光客が増えつつある中、日中友好の懸け橋を目指す本県にとって好ましい状況ではない。
 国有化方針を聞いた仲井真弘多知事は戸惑いを浮かべ、「尖閣はもともと管理していた政府がきっちり管理して、周辺の安全確保をしていれば結構だ」と述べた。
 現状の個人所有であっても政府が責任をもって管理し、不要な波風を立てないことが望ましいとの立場を示したものだ。
 尖閣諸島が日本固有の領土であることは国際法上も、歴史的経緯からしても明白だ。
 政府は「領土問題は存在しない」としつつ、あえて実効支配を示す港などの施設整備などの対応を取ってこなかった。1978年に日中平和友好条約締結のため、来日した■小平副首相(当時)と政府は、問題解決を将来に託した。
 領土をめぐる感情的な対立で関係がきしむことを避け、両国は親善と経済交流の土台を厚くすることを優先してきた。
 ここ最近の先鋭化しがちな嫌中国、反日本の世論が両国政府への圧力を強めることを懸念する。
 石原氏が4月、地元沖縄の頭越しに東京都による購入計画をぶち上げて以来、両国で偏狭なナショナリズムが台頭し、挑発的言動が繰り返されている。危険なことだ。
 上野動物園でのパンダ誕生をめぐり、石原氏は「『センカク』という名前を付けて返せばいい」と切り捨てた。中国を刺激し、反発を招く発言を続ける石原氏の振る舞いは、結果的に国益を損なっていまいか。
 石原氏が主張する「尖閣諸島への自衛隊配備」に日本が踏み出せば、中国の知日穏健派の識者さえ、軍事的対抗措置に発展しかねないと危惧している。
 声高な強硬派に押され、日中両政府は戦略的互恵関係の大切さを見失ってはならない。国連憲章にのっとり、あらゆる対立、摩擦も平和的に解決を図るべきだ。

※注:■は「登」にオオザト


沖縄タイムス 社説(2012年7月10日 )

尖閣問題は、沖縄にとって、自分たちの生活圏の問題である。尖閣諸島で最も大きい魚釣島の住所は、石垣市登野城2392番地。沖縄の人たちの中には「尖閣は誰のものでもない。沖縄のものだ」という意識が強い。
 尖閣をめぐって日中が武力衝突した場合、直接被害を受けるのは沖縄である。漁業だけでなく、観光も壊滅的打撃を受けるだろう。離島の暮らしにも甚大な影響を与えるはずだ。
 このようなぶっそうな話を持ち出すのは、尖閣諸島の領有権をめぐる問題が険しさを増しているからである。危険度は以前に比べ確実に高まっている。楽観は禁物だ。
 政府は、沖縄県の尖閣諸島を地権者から買い取り、国有化する方向で水面下の調整を始めた。
 尖閣諸島は五つの無人島と岩礁からなる。大正島は国有化されているが、魚釣島、北小島、南小島、久場島の4島は個人が所有しており、2002年から国が借り上げ、管理している。
 今回、国有化を予定しているのは魚釣島、北小島、南小島の3島。どちらが「よりまし」かという点で言えば、東京都が購入するよりも、国が買い上げるのが筋だ。
 ただ、尖閣国有化に対し、中国外務省は「必要な措置を講じ、断固主権を守る」と激しく反発している。国有化すれば中国は間違いなく対抗措置を打ち出すだろう。
 両国が相手国の「意図」や「出方」を読み間違え、対応を誤ると、偶発的衝突が起きやすくなる。それが心配だ。
 尖閣国有化を結果として後押ししたのは、東京都の石原慎太郎知事である。石原知事が打ち出した尖閣購入計画は大きな反響を呼び、都にはすでに13億円を超える寄付金が集まっている。
 国有化に対し石原知事は、先に都が買い取って、そのあと国に引き渡したい、との考えを政府に伝えた。だが、石原知事の尖閣購入計画は、政治的に危うい要素を秘めている。
 上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」に赤ちゃんが生まれたというニュースは、多くの国民から歓迎され、子どもたちを喜ばせた。
 ところが、どうだ。石原知事は「全然興味ない、あんなもの。『センカク』という名前を付けて(中国に)返してやるといい」と毒づいた。
 その前の記者会見では、パンダに赤ちゃんが生まれたら「センセンとかカクカクとか付けてやったらいい」と言い放った。
 石原知事の発言からは、外交センスもユーモアも感じられない。政治家としての資質さえ疑われるような八つ当たりだ。尖閣国有化について外務省は「所有権移転の問題であり、対外問題は生じない」と説明するが、知事発言が中国の国民感情を硬化させたのは間違いない。
 尖閣問題が歴史問題、政治問題としての性格を帯びると、日中の対立は、抜き差しならないところまで進むおそれがある。
 慎重さと知恵が必要だ。

-----転載終わり-----

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